大分のAI研修に助成金は使える?対象条件と4つの落とし穴を正直に解説

2026-08-01 執筆: 今長 学(Exist Japan株式会社 代表取締役)

「AI研修をやりたいけれど、助成金って使えるんですか?」

無料相談で、本当によくいただく質問です。結論から正直にお伝えすると、**「使える場合と使えない場合があり、分かれ目は"研修時間"と"申請の順序"」**なんです。

ネットには「AI研修は助成金でお得に!」という情報があふれていますが、実際には要件を満たせずに使えなかった、というケースが少なくありません。この記事では、大分の中小企業がAI研修に使える可能性のある制度を、使えないパターンも隠さずに整理してお伝えします。

まず結論: 制度は「国」と「大分市」の2階建てで考える

大分の中小企業がAI研修で検討すべき制度は、大きく2つです。

国の制度: 人材開発支援助成金(厚生労働省) ■ 大分市の制度: 人材育成応援事業(大分市中小企業者経営力強化促進補助金)

それぞれ得意な場面が違うので、順番に見ていきます。

国の「人材開発支援助成金」— 強力だが"10時間の壁"がある

人材開発支援助成金は、社員に職業訓練を受けさせた企業を支援する国の制度です。中でも「事業展開等リスキリング支援コース」は、DX・AI関連の研修と相性がよく、中小企業なら**経費の75%助成+賃金助成(1人1時間あたり1,000円)**という手厚さです(支給要領 令和8年8月3日版)。

ただし、ここで正直にお伝えしたい大事なポイントがあります。

このコースには「訓練時間10時間以上」という要件があります。

つまり、半日や3時間の単発AI研修は、それ単体では原則として対象になりません。「AI研修に助成金が使える」という情報だけを見て申し込むと、ここでつまずくケースが多いんです。

逆に言えば、複数回に分けて合計10時間以上のカリキュラムを組めば、対象になり得ます。例えば「基礎編3時間+実践編3時間+部門別ワーク4時間」のような設計です。僕たちも、助成金活用を前提にした複数回カリキュラムのご相談をお受けしています。

もうひとつ重要な情報として、事業展開等リスキリング支援コースは令和8年度(2026年度)までの時限措置とされています(厚生労働省パンフレット 脚注)。検討するなら、今年度が動きどきです。

【2026年8月3日改正】「内容が汎用的だと対象外」になりました

ここは今回、いちばんお伝えしたいところです。

令和8年8月3日から、このコースの要件が変わりました。DX化・GX化に関する訓練のうち、次の2つは助成の対象外になります。

■ 職業・職務に間接的に必要となる知識・技能を習得させるもの ■ 職業・職務の種類を問わず、職業人として共通して必要となるもの

厚生労働省の資料には、生成AI研修の具体例がはっきり書かれています。

☑︎ 対象になる例:「生成AIを活用して商品提案書の構成案作成、文章生成、修正方法を学ぶ営業担当者向けの訓練」 ☑︎ 対象外になる例:「生成AIを利用するために汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練」

違いはひとつだけです。その研修が、受ける人の職務に直接つながっているかどうか。

「まずはAIリテラシーを全社員に」という研修は、内容としてはとても大事なのですが、この制度では対象外と判断され得ます。逆に「経理担当者が請求書処理をAIで自動化する」「営業担当者が提案書をAIで作る」のように職務と紐づいていれば、対象になり得ます。

あわせて、受講する人の選び方も見られるようになりました。訓練内容に沿った人を選んでいるか、という観点です。

なお、対象になるのは雇用保険の被保険者である従業員の方です。経営者・役員・個人事業主ご本人は対象になりません。

eラーニングの受講回数の上限も変わりました。同一の従業員につき、年度で1回までです(対面研修を含むコース全体では従来どおり年度3回まで)。

ひとつ救いもあります。2026年8月2日までに研修機関との契約・申込が済んでいる場合は、経過措置で従来の要件が適用されます。

大分市の「人材育成応援事業」— 実は大分の中小企業の本命

大分市内の中小企業なら、市の制度がかなり現実的な選択肢になります(大分市公式ページ)。

制度名: 令和8年度 大分市中小企業者経営力強化促進補助金(人材育成応援事業) ■ 補助率: 2分の1(DX研修は3分の2に引き上げ) ■ 上限: 研修対象者1人あたり10万円(1事業者につき30万円まで) ■ 申請期間: 通年(予算に達し次第終了)

この制度のポイントは、研修の受け方によって2つの区分があることです。

自主研修事業(自社で企画・開催する研修)— 時間の下限要件なし外部研修事業(外部の研修に社員が参加)— 実研修時間6時間以上が必須

つまり、講師を自社に招いて開催する形のAI研修なら、3時間でも対象になり得るんです。僕たちの出張型AI研修は、まさにこの「自社で企画・開催」の形に合わせやすい設計です。国の助成金の10時間の壁を越えられない場合の、現実的な受け皿だと考えています。

申請前に知っておきたい4つの落とし穴

制度そのものより、実はここが一番大事です。相談の現場で見てきた「もったいない失敗」は、ほぼこの4つに集約されます。

① 研修を先にやってしまう

どの制度も、研修実施前の申請が大原則です。人材開発支援助成金は訓練開始日の1か月前までに計画届の提出、大分市の外部研修は研修申込予定日の14日前までに交付申請が必要です。「いい研修だったから後で助成金を申請しよう」は通用しません。

② 時間要件の見落とし

ここまでお伝えした通り、国の助成金は10時間以上、大分市の外部研修は6時間以上という下限があります。受けたい研修がどの区分に当たるのか、申請前に必ず確認してください。

③ 「対象になるはず」の思い込み

助成金・補助金は年度ごとに要件が変わりますし、予算に達すれば受付が終わります。この記事の内容も2026年8月時点の公式情報に基づいていますが、最終的には必ず公式ページか窓口で最新の要件をご確認ください

④ 内容が「汎用的」なままになっている

2026年8月3日の改正で、ここが一番の関門になりました。「AIの基礎」「プロンプトの書き方」といった汎用的な組み立てのままだと、国の助成金では対象外と判断され得ます。

研修を頼む側としてできることは、「誰の、どの業務を、どう変えるための研修か」をカリキュラムの段階で言葉にしておくことです。僕たちがカリキュラムを一緒に設計するときも、まずここから決めています。

迷ったら、研修の設計から一緒に考えます

ここまで読んで、「うちの場合はどれが使えるの?」と感じた方も多いと思います。

正直なところ、答えは会社の状況次第です。社員数、研修の目的、市内か市外か、どのくらいの時間をかけられるか。そこで僕たちは、企業向けAI研修の無料相談の中で、助成金・補助金の対象になりそうかどうかの見立てまで含めてご案内しています(※可否・金額は要件や審査により異なります。申請手続きの代行は行っていません)。

助成金はあくまで手段です。大事なのは、研修で社員の皆さんが「明日からAIを使える」ようになって、目の前のお客様に使える時間が増えること。僕はそのお手伝いがしたくて、大分でAIの学び場をやっています。

「うちの場合はどうなる?」だけでも構いません。無料相談で、お気軽に聞いてください。


この記事の情報源(2026年8月7日確認)

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この記事の著者: 今長 学(いまなが まなぶ)

Exist Japan株式会社 代表取締役。経産省認定 経営革新等認定支援機関、大分県中小企業アドバイザー。生成AIビジネス活用研修 受講者累計500名以上、登壇200回以上。大分県内の中小企業のAI活用とマーケティングを支援。→ プロフィール詳細

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